やっぱりアレな感じなのかね

「解読不能は数学的に証明済み」、RSAを超える新暗号方式とは − @IT http://www.atmarkit.co.jp/news/200804/11/cab.html
金曜日に会社でこのニュースを見ました.見た感想は,「はぁ?」.
セキュリティ関連のことはやってるけども暗号方式の専門家ではないので詳しいところまではわかりませんが,この記事の言ってることもさっぱりわからん.

DVDのコンテンツ暗号技術「CSS」(Content Scramble System)が、リリースからわずか数年で10代のノルウェーハッカーに破られたことは記憶に新しい。

これは単にメモリ上に暗号鍵が見えたんじゃなかったっけ….そうだとしたら,暗号方式が何であろうと関係ないよね? 鍵管理方法の問題ですよ.

「われわれの開発した暗号方式は、数学的に解読が不可能であると証明されています」。

でもそれ学会発表してないんだよね.なぜ? 特許とってから学会発表するなり製品に適用するなりすればいいだけじゃん.それとも公開アルゴリズムにできない方式なんですかね.だとしたら解析不可能じゃないと思う….

「野球のピッチャーにたとえると、こういうことです。これまで行ってきた暗号アルゴリズム研究は時速140キロの記録を破って150キロ、155キロを目指すというものです。われわれの暗号方式は人間のピッチャーの代わりにピッチングマシーンを使って、いきなり時速200キロを出してしまったという感じです」。

時速200キロの球でも,たまにはヒット打たれると思うよ….解読不可能って言いたいんなら消える魔球ぐらいにたとえておかないと….

「例えば40MBほどある聖書のテキストを、その聖書に含まれるビット数と同じ長さの鍵を使って暗号化するのに、一般的なPCでも1秒もかかりません」

元データと同じサイズの鍵が必要なの? ワンタイムパッドの親戚?

「ほかの公開鍵暗号方式は、表現方法や公開鍵の数を変えることでCAB方式に含まれることが数学的に証明されています。ほかの公開鍵暗号方式はCAB方式の特殊な場合なのです」

これってつまり,長い鍵の中に表現方法や公開鍵の数を変えるためのパラメータが入ってるってことなのかね.

CAB方式はブロック暗号だが、処理が高速であるためストリーミング映像への適用も可能だという。入山博士はデモンストレーションで一般的なノートPC2台を使って映像ストリーミングを実演。数MbpsのビットレートMPEG映像を8ギガビットと非常に長い鍵を使って暗号化し、サーバ・クライアントで送受信してみせた。
(略)
「10万ビットの鍵でも1秒未満で生成できます。(略)」
(略)
非力なデジタルガジェットでも利用できるのがRSA暗号と比較したときのCAB方式の強みという。

比較は公開鍵暗号方式とばっかりやってて,デモだけは共通鍵暗号方式と比較するようなデモ.共通鍵なのか公開鍵なのかわからん….もしかしてハイブリッド暗号の再発明だったりしないですかね….
っていうか「ブロック暗号だが」の「だが」の意味がわからない…ブロック暗号って一般的に遅いの? 普通に使われてるAESとか十分にストリーミングに使えるよね?

んー,結局よくわからん.スラドにも投稿されてたけど,結局よくわからん.うさんくさいことだけはなんとなくわかった.
スラッシュドット・ジャパン | 「解読不能が数学的に証明された画期的な新暗号方式」が登場 http://slashdot.jp/science/article.pl?sid=08/04/12/2140239